COPD患者における動脈硬化と運動による効果

気になった英語論文を日本語でまとめてみました。

 

COPD患者の動脈硬化は運動で抑制・改善できることをまとめた論文です。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

COPD患者における動脈硬化

雑誌:Chest インパクトファクター:8.308

 

背景

COPDにも心血管疾患にも全身炎症は悪影響を与える。

約30%のCOPD患者に心血管疾患は合併する。

 

動脈硬化の測定には脈波電動速度(PWV)が心血管イベントの強力な予測因子として用いられている。

 

COPD患者における動脈硬化の原因

慢性的な低酸素

肺気腫

全身炎症と酸化ストレス

COPDによる老化の促進

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図4 COPD動脈硬化に対する治療効果

 

COPD動脈硬化に対する治療効果

 

〜吸入薬〜

LABA/ICSの併用が動脈硬化のベースラインが高い患者(PWV:11m/s)に有効。

全身炎症の改善には議論の余地が残る。

 

〜酸素療法〜

重度の低酸素血症を呈している患者に対し有効な可能性。

 

〜運動トレーニングとリハビリテーション
4週間の持久力トレーニングプログラムで動脈硬化が改善。

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運動による動脈硬化の改善

運動トレーニングは、基礎的な交感神経活動を低下させ、迷走神経活動を増強し、圧反射感度を回復させることにより、BPを低下させる可能性がある。さらに、運動中または運動直後のシェアストレスは、NO産生を刺激して血管拡張をもたらし、BPと交感神経の活動を低下させる可能性がある。また、運動が血糖調節に良い影響を与えることは、RAASの活性化を低下させ、AGEの形成を防ぎ、COPDにおける動脈壁特性の変化を抑制すると考えられる。

 

・まとめ

高齢者においても、COPD患者においても、運動が動脈硬化を改善させることは間違いないようですね!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました⭐️